AI技術Deepmind2026年11月1日 14:25

GoogleとWRI、AI活用の世界森林マップを公開

Google DeepMindと世界資源研究所(WRI)は、衛星データとAIを用いた世界規模の森林分類マップ「ForTy」を公開した。原生林やプランテーションなど6つのカテゴリーで土地を分類できる一方、植林地や樹木作物地の識別率は約50〜60%にとどまるという課題も明らかになっている。

GoogleとWRI、AI活用の世界森林マップを公開

Google DeepMindと世界資源研究所(WRI)が、衛星データとAIを組み合わせた世界規模の森林分類マップ「ForTy」を公開した。このマップは地球上の森林や土地を6つのカテゴリーに分類するもので、原生林、植林地、樹木作物地などを区別して示している。従来の森林地図では一括りにされることが多かった土地の種類を、より細かく識別できる点がひとつの特徴だ。

森林の分類が重要になっている背景には、国際的な規制の動きがある。EUでは森林破壊に関連した商品の輸入を規制するルールが設けられており、サプライチェーン(原材料の調達から製品の流通までの一連の流れ)における土地利用の透明化が求められるようになっている。こうした規制に対応するには、森林の種類や状態を正確に把握できる地図が欠かせない。ForTyはそうした需要に応えうるツールとして位置づけられる。

ただし、現時点ではForTyにも精度面での課題がある。確認された事実として、ForTyが識別できているのは植林地と樹木作物地のそれぞれ約半分にとどまり、プランテーション(大規模農園)については全体の約60%にとどまっている。つまり、これらの土地分類では識別できていないケースが相当数残っており、地図として完全な情報を提供できているわけではない。

一方で、地球規模の森林変化を把握しようとする試みは以前から続けられており、衛星データとAIを組み合わせることでその解像度と速度は大きく向上してきた。ForTyもその流れに沿ったプロジェクトと見ることができる。ただ、衛星データから植生の種類を正確に判別することは技術的に難しく、特に農地と植林地、自然林の境界は曖昧になりやすいという点が精度向上の壁になっている面がある。

EU規制への対応という観点から見ると、ForTyの実用性を高めるためには識別精度のさらなる改善が必要な段階にある。企業が自社のサプライチェーンにおける森林リスクを評価する際、現時点では補完的な情報源と組み合わせて使うことが現実的な利用方法になるだろう。精度の向上と実用化の間には、まだ埋めるべきギャップが残っているという見方ができる。

技術の精度と政策の要請の間に生じるこうしたギャップは、AI分野における地球観測ツール全般に共通する課題でもある。ForTyがどのように改良されていくか、また実際の政策執行や企業のコンプライアンス対応にどの程度活用されるかが、今後の注目点になる。

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AI issue 編集部

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