シュナイダーとフォックスコン、次世代データセンターを共同開発
シュナイダーエレクトリックとフォックスコンは、次世代データセンターの共同開発に向けたパートナーシップを締結した。両社は、AIインフラ整備の障壁を取り除くため、スケーラブルで再現性の高いデータセンター設計の標準ブループリントを共同で作成する。

電力・エネルギー管理大手のシュナイダーエレクトリックと、電子機器受託製造世界最大手のフォックスコンが、次世代データセンターの共同開発に向けてパートナーシップを締結した。両社は、AIインフラの拡張を阻む「ボトルネック」を解消することを目的として、スケーラブルで再現性の高いデータセンター設計の「ブループリント(標準設計図)」の作成に取り組む。
AI活用の急拡大に伴い、その計算処理を支えるデータセンターへの需要は世界的に急増している。しかし、実際にデータセンターを建設・運用する側では、設計の標準化が進んでいないことや、大規模な電力・冷却インフラの確保が困難なことが、整備の速度を制限する要因となってきた。こうした状況の中で、既存の設備や運用ノウハウを持つ複数の企業が連携し、設計段階から効率化を図る動きが広がりつつある。
今回の提携でシュナイダーエレクトリックが担うのは、電力管理・冷却システムなどデータセンターの基盤インフラに関する技術・製品の提供だ。一方フォックスコンは、グローバルな製造・組み立てのサプライチェーンと量産対応能力を持ち込む形となる。両社の強みを組み合わせることで、設計から建設・展開までを一貫して効率化する枠組みを構築するという。また、この設計図は「再現可能」であることが重視されており、同じ仕様のデータセンターを異なる地域・規模で繰り返し展開できるようにすることが目標とされている。
この取り組みが注目される背景には、データセンター整備の「スピードと規模」という課題がある。AIの学習・推論に使われる計算資源は、従来の用途と比べて電力消費量が大きく、冷却設備の要件も高い。そのため、従来のデータセンター設計をそのまま流用することが難しく、AIに特化したインフラの設計基準を一から策定するコストと時間が、新規参入や拡張の障壁となってきた。標準化されたブループリントがあれば、この参入コストを下げられるという見方ができる。
製造面でのフォックスコンの役割も重要だ。同社はスマートフォンや電子機器の量産で培った、大規模・短納期での部品調達と組み立ての実績を持つ。データセンター建設にこの能力を応用することで、個別設計・個別調達の繰り返しによる非効率を減らし、整備のサイクルを短縮する可能性がある。
シュナイダーエレクトリックとフォックスコンという、業界を代表する2社の連携は、AIインフラ整備において設計の「型化」と製造の「量産化」という方向性を示すものと位置づけられる。AIへの投資や需要が引き続き増加する中で、こうした標準化・効率化の取り組みが実際にどの程度の速度でインフラ整備を加速できるか、今後の進捗が注目される。
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