AI技術Liquid2026年6月26日 14:21

Liquid AI、超小型言語モデルを公開

Liquid AIは、2億3000万パラメータの小型言語モデル「LFM2.5-230M」を公開した。スマートフォンやロボットなどのデバイス上で動作するよう設計されており、データ抽出タスクでは自身の4倍以上の規模を持つモデルを上回るとしている。年間収益1000万ドル未満の個人・企業には無償で提供される。

元MITの研究者らが設立したLiquid AIは、同社史上最小の言語モデル「LFM2.5-230M」を公開した。パラメータ数(モデルの複雑さを示す規模の指標)はわずか2億3000万で、スマートフォンやノートPC、ロボットなど、ネットワーク接続が不要なデバイス上での動作を想定して設計されている。

AIモデルの開発競争では、OpenAIやGoogleといった大手企業が数千億から数兆規模のパラメータを持つモデルを競い合うのが主流だ。一方で、クラウドへの依存を前提としない「エッジAI」の分野では、いかに少ないリソースで実用的な性能を出すかが重要な指標となっている。LFM2.5-230Mはその方向性を体現するモデルとして位置づけられる。

Liquid AIによると、同モデルは自身の4倍以上のパラメータを持つモデルを一部のベンチマークで上回る。具体的には、データ抽出タスクにおいて、Alibaba(アリババ)の「Qwen3.5-0.8B(Instruct)」(8億パラメータ)やGoogleの「Gemma 3 1B」(10億パラメータ)より高いスコアを記録したとしている。また、19兆トークン(大量のテキストデータ)を使って事前学習させたことも公表している。

技術面では、一般的なTransformer(トランスフォーマー)とは異なる独自の「LFM2」アーキテクチャを採用している。短距離の情報処理を得意とする畳み込み処理と、文脈を広く参照するアテンション機構を組み合わせることで、メモリの消費を抑えながら高速な推論を実現した。メモリ使用量は400MB未満に収まり、Samsung Galaxy S25 Ultraでは1秒あたり213トークンという処理速度を達成したという。また、最大3万2000トークンという長い文脈を一度に扱える点も特徴だ。

ライセンス面では、個人および年間収益が1000万ドル(約15億円)未満の企業には無償で提供される。一方、それを超える規模の企業が利用する場合は、有償のエンタープライズ契約が必要となる。同社はこのモデルを、データ抽出パイプラインの構築や自律型エッジシステムの開発を手がけるエンジニア・開発者向けと位置づけている。

このモデルが示す意義は、「規模を大きくすれば強くなる」という前提に対して、アーキテクチャの工夫で別の解があることを示した点にある。端末内で完結するAI処理は、プライバシー保護や低遅延、オフライン環境での利用など、クラウド型にはない強みを持つ。今後、産業用ロボットや医療機器、IoTデバイスといった、ネットワーク接続が安定しない環境での活用が見込まれる領域でどこまで実用性を発揮できるか、という点が注目される。

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AI issue 編集部

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