AI産業OpenAI2026年7月12日 20:25

OpenAI、業務向けAIエージェント「ChatGPT Work」を発表

OpenAIは、メール・カレンダー・Slackなど複数の業務アプリと連携して作業を自律実行するAIエージェント「ChatGPT Work」を発表した。最新モデルGPT-5.6を搭載し、クラウド上の仮想マシンとして常時稼働する設計で、ChatGPTの有料プランユーザーを対象に順次提供が始まる。

OpenAI、業務向けAIエージェント「ChatGPT Work」を発表

OpenAIは、職場での業務を自律的にこなすAIエージェント「ChatGPT Work」を発表した。これはChatGPTの中に組み込まれる新機能で、メール・カレンダー・Slack・コードリポジトリといった複数のアプリをまたいで、複雑な作業を複数ステップで自動実行できる。ただ質問に答えるだけのツールから、業務そのものを担うプラットフォームへとChatGPTを転換しようとする、同社として最も明確な試みと位置づけられる。

ChatGPT Workは、OpenAIの最新モデル「GPT-5.6」を基盤としている。接続されたアプリやファイル、ワークフローから文脈を収集し、文書・スプレッドシート・プレゼンテーション・レポート・ウェブサイトといった成果物を仕上げる。ユーザーが達成したい目標を指定すると、それを小さなステップに分解して数時間にわたって処理を続け、独立して完了させる設計になっている。

この機能の技術的な核となるのは、OpenAIのサーバー上で常時稼働するクラウドベースの仮想マシンだ。ローカルの端末が起動していなくても使える点が特徴で、ユーザーがどのデバイスを使っていても常に同じ環境にアクセスできる。OpenAIでプロダクトマネージャーを務めるTy Geri氏は「クラウド上で常にオンになっている仮想マシンであり、すべての有料プランで利用できる。Plusユーザー全員が対象になるのは非常にユニークな点だ」と述べた。また、スマートフォンからウェブサイトを作成して共有できるモバイル対応についても「市場に欠けていた機能」と説明した。

ChatGPT Workのロールアウトは、ProプランおよびEnterpriseプランのユーザーを皮切りに順次拡大される。Geri氏は、同機能がOpenAI社内のコーディングツール「Codex」で示してきたエージェント型AIの能力を、より広いユーザー層に届けることを目的としていると述べた。同氏によれば、社内でのCodex採用は「あらゆる製品機能、あらゆるユースケースにわたって指数関数的な伸び」を見せているという。

この発表は、OpenAIの財務状況が大きく動いているタイミングと重なる。同社は先月、米証券取引委員会(SEC)にIPO(新規株式公開)に向けた登録書類(S-1)の草案を非公開で提出した。報道によれば同社の企業価値は7300億ドルから8520億ドル規模と見積もられており、年換算の売上高は250億ドルを超えているとされる。製品の競争力と収益性を示すこのタイミングでのChatGPT Work発表は、IPO準備との文脈で見ると一定の戦略的意味を持つとも考えられる。

AIエージェントという概念は近年急速に広がっており、複数のツールを連携させながら自律的に作業を進める能力は、多くのAI企業が競い合う領域となっている。OpenAIが今回クラウド常時稼働型のアーキテクチャを選んだのは、デバイスを問わず継続的に業務を処理できる点を差別化の軸に据えた判断と見られる。一方で、メールやカレンダーといった業務データへのアクセスを伴う性質上、プライバシーやデータ管理に関する企業側の判断が今後の普及を左右するとも考えられる。ChatGPT Workが職場のワークフローにどの程度組み込まれていくか、実際の採用状況が注目される。

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AI issue 編集部

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