AI技術Uber2026年11月3日 08:26

Uber、AI管理基盤「MCPゲートウェイ」を構築

Uberは社内のAIエージェント管理を効率化するため、「MCPゲートウェイ」と呼ぶ独自の管理基盤を構築した。800以上のMCPサーバーと5,000以上のAIツールを一元管理し、アクセス制御や機密データの自動マスキング、APIの自動検出といった機能を備える。AIエージェントの社内活用が拡大する中で、大規模運用に必要なガバナンスの仕組みを整備した事例となっている。

Uber、AI管理基盤「MCPゲートウェイ」を構築

Uberは、社内のAIエージェントが各種サービスを利用する際の窓口を一本化するため、「MCPゲートウェイ」と呼ばれる管理基盤を独自に構築した。このゲートウェイは800以上のMCPサーバーと5,000以上のAIツールを束ねており、エージェントがどのサービスにアクセスするかを統一的に制御する仕組みになっている。

背景にあるのは、企業の中でAIエージェントの活用が急速に広がる中で生じる「管理の難しさ」だ。AIエージェントは人間の代わりに複数のシステムをまたいで作業を自動実行するが、社内サービスの数が増えるほど、どのエージェントがどのツールを使えるかを個別に管理するコストも膨らんでいく。特に規模の大きな企業では、ツールの乱立やアクセス権の不整合が深刻な運用課題になりやすい。Uberのような巨大テック企業でも、この問題は例外でなかったといえる。

MCPとは「Model Context Protocol(モデル・コンテキスト・プロトコル)」の略で、AIモデルが外部のツールやデータソースと連携するための共通規格だ。Uberが構築したゲートウェイは、このMCPの仕組みを活用しながら、ツールの登録と実際の実行処理を分離している。つまり、新しいツールを追加する際の設定作業と、AIエージェントがリアルタイムで呼び出す処理を切り離すことで、拡張性と安定性を両立する設計になっている。

具体的な機能としては、まずAPIの自動検出が挙げられる。社内に存在するAPIを人手を介さずに発見・登録できるため、ツール数が増えても管理負荷が抑えられる。またアクセス制御機能により、エージェントごとに利用できるツールの範囲を絞ることができる。さらに機密情報の自動マスキング機能(センシティブデータの自動削除)を備えており、AIエージェントが意図せず個人情報などを参照・漏洩するリスクを抑える設計になっている。

加えて「Omni MCP」と呼ばれる段階的なツール探索機能も搭載されている。これは全ツールを一度に読み込まず、必要に応じて少しずつ対象を絞り込む仕組みで、数千規模のツールを扱う場合でも処理の効率を保つためのアプローチだ。応答のフィルタリング機能もあり、エージェントが受け取るデータを目的に応じて整形・制限することもできる。

この取り組みは、大規模なAIエージェント運用に必要な「ガバナンス(統治)」の一形態として位置づけられる。エージェントが便利である一方、制御が不十分なまま社内システムと連携させると、誤動作や情報漏洩のリスクが高まる。Uberの事例は、そうしたリスクを体系的に管理する仕組みをどう設計するかという、業界全体が直面している課題への一つの答えを示しているといえる。AIエージェントの企業導入が本格化する中で、今後はゲートウェイのような管理レイヤーをどう設計・標準化するかが、各社の重要な技術的課題になるという見方ができる。

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AI issue 編集部

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