Google、新Geminiフラッシュ2種を同時公開
Googleは2025年、AIモデル「Gemini 3.8 Flash」と、サイバーセキュリティ特化版「Gemini 3.8 Flash Cyber」の2モデルを同時発表した。汎用版はエージェント処理や多段階推論を強化し、Cyber版は脆弱性の発見とパッチ適用に特化している。Gemini 3.8 FlashはGemini Enterpriseおよびいくつかの開発者向けツールで即日利用可能となった。

Googleは、AIモデル「Gemini」シリーズの新バージョンとして「Gemini 3.8 Flash」と「Gemini 3.8 Flash Cyber」の2モデルを発表した。前者はAIエージェント(人間の代わりに複数の作業を自律的にこなすAI)や複雑な推論タスクを主な用途として設計されており、後者はサイバーセキュリティ分野の脆弱性発見と修正に特化している。
Gemini 3.8 Flashは6週間でGoogleが投入した3本目のFlashモデルにあたり、前バージョンの3.7 Flashから間を置かずに登場した。GoogleのサンダーCEOは、コーディング・エージェント処理・多段階の推論といった領域で前バージョンから大きく改善したと述べている。たとえば、コーディング性能を測るDeepSWEベンチマークでは、多くの大規模最先端モデルを上回る結果を、より低いコストで達成したという。
価格は入力トークン100万件あたり0.75ドル、出力トークン100万件あたり3.75ドルで、3.7 Flashの導入時と同水準に設定されている。コンテキスト(一度に処理できる情報量)は入力100万トークン、出力6万4,000トークンまで対応しており、テキストのほかに画像・音声・動画・PDFも入力として受け付ける。利用者は品質・コスト・処理速度の優先度に合わせてモデルの処理量を調整できる。Googleのブログによると、計算効率を重視する場合は3.7 Flashを引き続き使うことも想定されており、両モデルは用途に応じた使い分けが前提となっている。
性能面では、金融エージェントを評価する「Vals Finance Agent V2」や法律タスクを評価する「Harvey's Legal Agent Benchmark」で先代モデルや他社の最先端モデルを上回った。また、幅広い学問領域にわたる難問を集めた「Humanity's Last Exam(HLE)」の検証版では54.9%のスコアを記録した。Googleはこれを、数学・科学・人文学にまたがる多段階推論が求められる問題への対応力として位置づけている。
サイバーセキュリティ特化版のFlash Cyberについては、GoogleのCEOが「同社のサイバーセキュリティモデルとして最も高い能力を持つ」と述べた。脆弱性発見と大規模なパッチ適用においては最先端レベルの性能に並んだとされ、サイバーセキュリティのベンチマーク「CyberGym」で86.2%、AIのパッチ適用能力を評価する「CWE-Bench」で47.2%を達成した。さらにGoogle社内のベンチマークでは、20種類のプログラミング言語にわたる脆弱性発見で70%超の成功率を示したという。
Gemini 3.8 FlashはGemini Enterprise向けにすでに提供が始まっており、開発者はGoogle AI Studio、Google Antigravity、Android Studio、UIデザインツールのStitchを通じてGemini APIで試せる。AIエージェントの実用化が進む中、汎用の推論能力とサイバーセキュリティという専門領域を別モデルとして分けて提供するアプローチは、用途ごとに最適なモデルを選んで使うという企業向けの実装スタイルを意識したものと見ることができる。
本記事は、AI issue編集部が事実(ファクト)をもとに独自に作成・編集した著作物です。著作権はAI issueに帰属し、無断転載・再配布およびAIの学習・活用を禁じます。