AI産業Microsoft2026年7月26日 06:18

Microsoft、自社開発AIモデル2種を公開

Microsoftは水曜日、自社開発の画像生成モデル「MAI-Image-2.5-Pro」と音声モデル「MAI-Voice-2-Flash」の2種類をパブリックプレビューとして公開した。同時に、自社モデルの導入によりGPUコストを最大89%削減したとする実運用データも公表している。BingやPowerPoint、GitHub CopilotなどMicrosoftの主力サービスで既に稼働していることを明らかにし、OpenAIのモデルに依存しない自社基盤の構築が本格化していることを示した。

Microsoft、自社開発AIモデル2種を公開

Microsoftは水曜日、自社開発の新しいAIモデル2種類をパブリックプレビューとして公開した。画像生成モデル「MAI-Image-2.5-Pro」と音声モデル「MAI-Voice-2-Flash」の2つで、同時に自社製品への実際の導入状況を示す詳細なデータも公表している。発表はMicrosoft AIの「Superintelligenceチーム」が行い、画像生成から音声処理まで異なる用途をカバーする2モデルの投入により、同社の自社モデル戦略が本格的な展開段階に入ったことを示した。

この動きは、Microsoftが自社内でのモデル開発に本格的にコミットしてから約1年が経過したタイミングで起きている。これまで同社はOpenAIへの出資を通じて最先端モデルを活用するアプローチをとってきたが、今回の発表では自社モデルの稼働先として、Bing・PowerPoint・OneDrive・Dynamics 365・Excel・GitHub Copilot・Azureなど主力製品・サービスの名前が具体的に挙げられた。同社は「Microsoftの製品をMicrosoftのモデルで動かすこと」が目標だと公式ブログに明記しており、自社モデルが研究段階を超えて実運用の基盤インフラになったという姿勢を鮮明にしている。

MAI-Image-2.5-Proは高品質な画像生成に特化したモデルで、商業用の主役画像制作・精細な編集・画像内テキストの正確な描画を主な用途として位置づけている。画像内テキストの描画精度は、従来の画像生成モデルが苦手としてきた領域として広く知られており、この点への対応が強調されている。料金はテキスト入力100万トークンあたり5ドル、画像入力100万トークンあたり8ドル、画像出力100万トークンあたり106ドルに設定された。なお、ベースモデルにあたるMAI-Image-2.5は、生成メディアの評価プラットフォームArenaの画像編集部門で2位を記録したと公表されている。

一方、MAI-Voice-2-Flashはコスト効率と処理速度を重視した設計になっている。Microsoftのカンファレンス「Build」で初公開されたこのモデルは、前世代のMAI-Voice-2と比べて処理速度が2倍、コストが32%低く、料金は100万文字あたり15ドルだ。主な対象はコールセンターや音声エージェント、リアルタイム音声処理など、大量の音声処理を必要とするビジネス用途で、応答速度と1回あたりのコストが競争力を左右する市場を狙っている。

広告大手WPPのグローバルチーフクリエイティブオフィサーであるRob Reilly氏は、Microsoftの発表に寄せたコメントの中で、MAI-Image-2.5-Proを「GenMediaツールとして大きな前進」と評価した上で、「Microsoftは生成AIのリーダー陣に確固たる地位を築いた」と述べている。高品質モデルと大量処理向けモデルという異なる性格のモデルを同時にリリースした背景には、創作領域で最高品質を求めるユーザーと、膨大な処理量を低コストでこなす必要のある企業では求めるものが根本的に異なるという認識があると、Microsoftは説明している。

今回の発表で特に注目されるのは、モデル自体よりも実運用データの公開だ。Microsoftは自社モデルの導入によりGPUコストを最大89%削減できたとするデータを公表しており、これはOpenAIのフロンティアモデルに頼らずとも自社製品を十分に支えられるという主張の根拠となっている。コストの大幅削減は企業顧客にとって非常に現実的な訴求ポイントであり、単に技術力を示すだけでなく、経済的な合理性の観点からも自社モデルへの移行を後押しするメッセージとして機能している。

Microsoftにとってのこの動きは、OpenAIとの関係性という文脈からも切り離せない。同社はOpenAIの最大の投資家であり共同開発パートナーでもあるが、今回のように自社モデルの競争力と経済性を積極的にアピールする姿勢は、長期的にはその依存度を下げていく方向性を示していると見ることができる。今後は、自社モデルがどの製品領域でOpenAIモデルを置き換えていくのか、またその範囲がどこまで広がるかが一つの注目点となるだろう。

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AI issue 編集部

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