AI技術Google2026年11月1日 06:22

GoogleのAIエージェント、XSS脆弱性を500件超発見

Googleは論文で、AIセキュリティエージェント「PageBreak」が2025年1月の本格稼働以降、自社ウェブアプリケーションで500件以上のXSS脆弱性を発見したと公表した。PageBreakはGeminiモデルを使って脆弱性候補を自律調査し、実際のアプリ上で攻撃が再現できた場合にのみ報告する二段階の設計を採用している。

GoogleのAIエージェント、XSS脆弱性を500件超発見

GoogleがAIを活用したセキュリティエージェント「PageBreak」を開発し、自社のウェブアプリケーションで500件を超えるXSS脆弱性を発見したことを論文で公表した。XSS(クロスサイトスクリプティング)とは、攻撃者が悪意あるスクリプトをウェブページに埋め込み、ユーザーのブラウザ上で実行させる手法だ。PageBreakは2025年1月に本格稼働を開始しており、それ以降に検出した件数がこの数字にあたる。

ウェブアプリケーションのセキュリティ検査は、従来は熟練したエンジニアが手作業で行うか、パターンマッチング型の自動ツールに頼るのが一般的だった。しかしいずれも、複雑なアプリケーションや新しい攻撃パターンへの対応に限界があるとされてきた。AIエージェントを脆弱性探索に組み込む取り組みは近年増えているが、精度の面では誤検知(実際には問題がないのに警告を出す現象)が課題として挙げられることが多い。

PageBreakはGoogleのAIモデル「Gemini」を中核に据え、脆弱性の候補を自律的に調査する仕組みを持つ。ただし、AIが疑わしいと判断しただけでは報告には至らない。実際に動作しているアプリケーションに対して攻撃シナリオを再現し、確定的な検証器がその再現に成功して初めてレポートが生成される設計になっている。この二段階の確認プロセスが、誤検知を抑える要になっている。

この仕組みが持つ意義は、発見件数の多さだけにとどまらない。「AIが候補を見つけ、決定論的な手法で裏付けを取る」という二層構造は、AIの柔軟な探索力と従来型ツールの確実性を組み合わせた設計と位置づけられる。セキュリティ分野では誤検知が多いと現場担当者の信頼を失い、ツール自体が使われなくなるリスクがある。そのため、精度を担保する仕組みを組み込んだ点は、実運用における重要な判断といえる。

GoogleがPageBreakの詳細を論文として公開したことも注目に値する。自社内のセキュリティ実績を対外的に示すことは、研究コミュニティや同業他社にとって設計上の参考情報になると同時に、AIを活用したセキュリティ手法の標準的な議論を促す効果もある。今後、類似のアプローチを採用する動きが業界内で広がるかどうかも、一つの観察点になりそうだ。

AIエージェントがセキュリティ検査に本格的に組み込まれていく流れは、今後も続くとみられる。その中で問われるのは、単純に「何件見つけたか」という数ではなく、見つけた脆弱性がどれだけ実際のリスク低減につながったか、という実効性だ。PageBreakの取り組みは、その評価基準を考える上でも一つの事例として参照されていく可能性がある。

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AI issue 編集部

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