AI産業Atlassian2026年10月27日 18:18

AI活用で週10時間以上節約できた開発者が激減

アトラシアンが発表した「State of Developer Experience 2026」によると、AIツールで週10時間以上の作業時間を節約できていると答えた開発者の割合が、前年の68%から26%へと大幅に低下した。AIによって業務の手間が「目に見えて減った」と感じている開発者はわずか28%にとどまり、エンジニアリングリーダーはAIの出力確認・修正に一般の開発者より多くの時間を費やしていることも明らかになった。

AI活用で週10時間以上節約できた開発者が激減

AIツールによって週10時間以上の作業時間を節約できていると答えた開発者の割合が、前年の68%から26%へと大幅に低下した。アトラシアンが発表した「State of Developer Experience 2026」で明らかになったもので、AIへの期待感が実務での実感に追いついていない現状を示している。

アトラシアンはプロジェクト管理ツールや開発者向けソフトウェアを提供する企業で、開発者の業務体験を定期的に調査している。生成AIが開発現場に急速に普及し始めたここ数年、「AIで生産性が劇的に上がる」という期待が業界全体に広がっていた。今回の調査は、そうした期待と現実の間にあるギャップを定量的に示した点で注目できる。

調査によると、AIの導入によって「以前より作業のストレスや手間が目に見えて減った」と感じている開発者はわずか28%にとどまった。つまり、7割以上の開発者は、AIを使っていても業務上の摩擦(作業の煩わしさや非効率さ)に大きな変化を感じていないことになる。一方で、エンジニアリングリーダー(開発チームの管理職層)については、AIが生成したアウトプットの確認や修正に費やす時間が、一般の開発者よりも多いことも報告されている。

この結果が示すのは、AIツールの「使いこなし」がまだ途上にある段階である可能性だ。AIが生成したコードや提案をそのまま使えるわけではなく、内容を確認・修正する作業が新たに発生しているとすれば、管理職ほどその負担が大きくなる構図は理解しやすい。現場の開発者が感じる恩恵と、組織を管理する立場の人間が感じる負荷とのあいだに、明確な温度差が生じているといえる。

また、前年から今年にかけて時間節約の実感が急落した背景には、AIツールへの習熟度や活用方法のばらつきが広がったことも考えられる。初期の導入期には、AIを積極的に試した一部のユーザーが大きな恩恵を感じやすい。しかしツールが職場に広く普及し、より多様な開発者が使うようになると、平均的な満足度は下がりやすいという見方ができる。

今回の調査結果は、AIを「導入すれば生産性が上がる」と単純に捉えることへの疑問を改めて提示している。AIツールが現場で本当に価値を生むためには、ツールの選定や使い方の設計、チーム全体へのトレーニングなど、導入後の取り組みが重要になると位置づけられる。エンジニアリングリーダーの負荷増加という事実は、組織がAI活用の体制をまだ最適化できていない段階にある可能性を示しており、今後の開発組織のあり方を考えるうえで注目すべき指標といえる。

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AI issue 編集部

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