AI導入を理由にした大規模レイオフが相次ぐ
2025年、monday.comを含む20社以上の主要テック企業が「AIへの移行」を理由として大規模な人員削減を相次いで発表した。削減の対象はカスタマーサポートや開発補助など自動化が進みやすい職域に集中する傾向があり、AI導入が雇用構造に与える影響が業界全体で顕在化している。

2025年、テック業界では「AIへの移行」を理由に大規模な人員削減を発表する企業が続出している。monday.comが新たにその一社に加わり、これまでに少なくとも20社以上の主要テック企業がAIを削減の理由として明示してきた。
こうした動きの背景には、生成AIツールの急速な普及がある。企業の業務の一部が自動化できるようになったことで、経営層はコスト構造の見直しを加速させている。かつて大規模なエンジニアリングチームや社内サポート部門が担っていた仕事を、AIが一部代替できるという判断が、各社の人員計画に直接影響を与えていると見られる。
各社の発表はおおむね「AIへの投資を優先するための組織再編」という文脈で説明されている。つまり、AIに置き換えられた人員を削減しながら、同時にAI開発・導入に関わる人材への投資は続けるという構造だ。削減の規模や対象職種は企業によって異なるが、カスタマーサポート・マーケティング・ソフトウェア開発の補助的業務など、繰り返し作業が多い職域で影響が顕著とされている。
monday.comは、プロジェクト管理ソフトウェアを提供するイスラエル発のSaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス)企業で、今回の削減発表によってこの動きへの参加企業リストに加わった。同社を含む21社以上が2025年内に同様の発表を行ったことは、これが個別企業の判断ではなく、業界全体の潮流として読み取れる状況になっている。
「AIのせいでリストラ」という言い方には、注意が必要な側面もある。実際には業績悪化・過剰採用の修正・株主への説明といった複合的な要因が絡んでいるケースも多く、AIを前面に出すことが経営判断の「合理的な説明」として機能しやすいという見方もできる。ただし、AIによる業務効率化が実際に人員需要を変化させているという事実自体は、多くの企業の採用動向や組織設計にも確認できる。
この流れが重要なのは、「AIが雇用に与える影響」がもはや将来の議論ではなく、現在進行形の現実として企業の意思決定に組み込まれ始めている点だ。テック大手から中規模のSaaS企業まで、業種や規模を問わず同様の動きが広がっていることは、特定の企業文化や経営方針の問題ではなく、AI導入が産業構造そのものを変えつつあるという見方を支持している。今後は削減される職種の変化と、AIに関連して新たに生まれる職種の中身に注目することが、この変化の全体像を理解するうえで重要になるだろう。
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