Serval、IT問題を先回りして解決するAIエージェント「Catalyst」を一般提供
エンタープライズ向けサービス管理プラットフォームのServalは、AIエージェント「Catalyst」を一般提供開始し、既存顧客向けにデフォルトで有効化した。Catalystはチケット履歴やSOPを分析して繰り返し業務を発見し、ワークフローの自動化フローを自ら構築する「スーパーエージェント」として機能する。さらに、接続システムを常時監視してチケット化される前に問題の修正案を提示するバックグラウンドエージェントの仕組みも備えている。

エンタープライズ向けサービス管理プラットフォームを手がけるServalは、AIエージェント「Catalyst」を一般提供(GA)開始し、既存顧客向けにデフォルトで有効化した。Catalystは、企業内で繰り返し発生する業務を自動的に発見し、その自動化フロー自体を構築するまでを担う「スーパーエージェント」として位置づけられている。
企業のIT部門では、ヘルプデスクへの問い合わせが大量に溜まり、担当者が手作業で対応し続けるという課題が長年続いてきた。こうした非効率を解消するため、多くの企業がワークフローの自動化ツールを導入してきたが、「何を自動化すべきか」を見つけ出す作業そのものは依然として人間が担うケースが多かった。Catalystはこの発見から構築までの工程をAIが一貫して担う点が特徴で、管理者向けの統合インターフェースとして設計されている。
Catalystができることは多岐にわたる。過去のチケット履歴や標準作業手順書(SOP)、自然言語による指示を読み込み、繰り返し発生している業務パターンを特定する。そのうえで、ワークフロー・ヘルプデスクスキル・オンボーディングやオフボーディングの手順・アクセス管理ポリシー・ダッシュボードといった要素を自動的に下書きし、管理者のレビューに回す仕組みだ。Serval共同創業者兼CEOのジェイク・スタウク氏は「一つのプロンプトを入力するだけで、会社全体のパスワードリセットを解決する、エンタープライズ級のワークフローが展開可能な状態で出来上がる」と述べている。実際のワークフローはコードに裏打ちされており、デモではその構築過程が実演された。
さらにServalは、Catalystを活用してバックグラウンドで常時稼働するエージェントの仕組みも整えている。このエージェントは、接続されたシステムを継続的に監視し、問題が顕在化してチケットとして報告される前に修正案を提示する。つまり、従業員が「困った」と気づく前に、AIがシステムの異常を検知して対処策を用意するという流れになる。
同様のアプローチをとる競合サービスはすでに存在する。ServiceNowの「Build Agent」は自然言語の指示をアプリケーションやスクリプトに変換でき、同社の「AI Agent Advisor」はインスタンスの記録を分析して自動化の候補を提案する。AtlassianのRovoは平易な英語の要件からJiraの自動化フローを生成でき、FreshworksはFreshserviceのワークフローに対応するサービスエージェントを作成するための「Freddy AI Agent Studio」を提供している。AI支援によるワークフロー自動化は、エンタープライズ向けサービス管理市場全体で急速に広がっており、各社が類似の機能を揃えつつある状況だ。
こうした競合環境の中でServalが主張する差別化点は、「自動化機会の発見」から「複数種類のワークフロー構築」、さらに「新たな自動化対象を探し続けるプロアクティブなエージェントの生成」まで、一つの管理レイヤーで一貫してカバーする設計にある。また、管理者がUIを通じて行えるあらゆる操作を、最終的にはCatalyst経由でも実行できるようにするというのが同社の長期的な目標とされている。自動化の「設定」ではなく「発見から運用まで」をAIが担う体制を整えることが、同社が目指す方向性と言えそうだ。
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