AI技術2026年9月6日 10:22

チャットbot7分会話で陰謀論信念が低下

研究者らの実験で、Google Geminiとの約7分間の会話が陰謀論的な信念を低下させる効果を持つことが示された。この効果はファクトシートを上回り、数週間後の追跡調査でも持続。さらに会話で扱わなかった別の出来事への陰謀論的信念にも同様の低下が確認された。

チャットbot7分会話で陰謀論信念が低下

Google Geminiとの約7分間の会話が、陰謀論的な信念を弱める効果を持つことが、研究者らによる実験で明らかになった。その効果は、同じ目的で作られた静的なファクトシート(事実をまとめた資料)を上回り、数週間後の追跡調査でも持続していたという。

陰謀論の拡散はインターネットやSNSの普及とともに世界的な課題となっており、選挙・感染症・自然災害など社会的に重要な出来事をめぐってとりわけ広まりやすい傾向がある。これまでの対策としては、専門家や機関が作成したファクトシートの配布が主流だったが、その効果には限界があるとも指摘されてきた。こうした背景のなかで、対話型AIが新たな介入手段になり得るかどうかを検証する研究が行われた。

研究では2つの実験が実施された。参加者はGoogle Geminiと自由に会話し、その前後で陰謀論的な信念の程度が測定された。会話の平均時間は約7分。注目すべきは、対象となったのが「現在進行中の出来事」に関する陰謀論であり、検証済みの確かな事実がまだ少ない状況でも、この効果が確認された点だ。

さらに研究が示したのは、効果の持続性と汎用性だ。チャットボットとの会話から数週間後に行われた追跡調査では、信念の低下が継続していた。加えて、会話で取り上げなかった別の出来事に関する陰謀論的な信念についても、同様の低下が見られたという。つまり、特定の話題だけでなく、より広い範囲の認知的な変化が生じた可能性を示している。

この結果が持つ意味は大きいと位置づけられる。これまでのファクトシートは、読み手が自発的に読み込み、内容を受け入れることを前提としていた。一方、対話型AIは読み手のペースや疑問に合わせて情報を届けられるため、人が「納得するプロセス」を支援しやすいという見方ができる。7分という短い時間でこれほどの効果が現れたことは、AIを情報リテラシー支援の場面に応用する可能性を示す一例といえる。

ただし、今回の研究で確認された効果はあくまで実験条件下のものであり、実際の社会でどこまで再現されるかは引き続き検証が必要だ。また、陰謀論を信じる人が自発的にAIと会話するかどうか、あるいはAIとの会話内容が信頼に値するかどうかといった点も、実運用における課題として残る。今後は、どのような対話の設計が効果的か、また効果が生じるメカニズムが何かを掘り下げる研究に注目が集まるだろう。

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AI issue 編集部

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