AI産業Snowflake2026年7月29日 18:20

Snowflake、AIエージェント管理基盤「Cortex AI Gateway」を発表

Snowflakeは、AIエージェントによる企業データやツールへのアクセスを一元管理する「Cortex AI Gateway」を発表した。競合他社製を含む外部AIエージェントも対象に制御でき、1Passwordなどアイデンティティ管理大手5社との連携も同時に公表された。AIエージェントが人間の代わりにシステムを操作する時代に対応し、従来の人間を前提としたセキュリティモデルを刷新することを目的としている。

Snowflake、AIエージェント管理基盤「Cortex AI Gateway」を発表

Snowflakeは、AIエージェントによる企業データやツールへのアクセスを一元管理する新機能「Cortex AI Gateway」を発表した。この機能は、競合他社が提供するAnthropicのClaude CodeやCursorなど、外部のAIエージェントも含めてアクセスを制御できる点が特徴だ。あわせて、1Password・Aembit・Linx Security・SailPoint・Saviyntという5社のセキュリティ企業との連携も公表された。

これまで企業のセキュリティは「システムを使うのは人間である」という前提で設計されてきた。ユーザーがログインし、一度に一つのアプリを操作するという想定のもと、アクセス権限が管理されてきたのだ。しかしAIエージェントは人間の何倍もの速さで複数のシステムにまたがって動き、本来組み合わせて使うことを想定していなかった権限を同時に行使するリスクをはらんでいる。Snowflakeのチーフセキュリティ&トラストオフィサー、マヤンク・ウパディヤイ氏はこの課題について「AIが全く新しいセキュリティ問題を生み出すのではなく、これまで見えていなかった盲点をAIが露わにするのだ」と述べている。

AIエージェントが普及し始めた当初の現場では、危うい運用が横行していた。1PasswordのCTO、ナンシー・ワン氏は「エージェントに自分のログイン情報をそのまま渡して、自分の代わりに動かすというやり方が当たり前になっていた」と指摘する。IT管理者のように広範な権限を持つ人物のアカウントで動くエージェントが組織内を自律的に動き回ればどうなるか——その危険性を示すものだ。Cortex AI Gatewayは、こうした「人間の代理としてエージェントが暴走する」リスクに対処するため、全てのエージェントの行動をリアルタイムで監視・制御する仕組みを提供する。

連携パートナーとして名を連ねた5社は、いずれもアイデンティティ管理(誰が・何に・どのようにアクセスするかを制御する仕組み)の分野に強みを持つ企業だ。通常は互いに競合関係にある企業が一堂に集まり、自律型エージェントに対する共通の信頼モデルを構築する形となっている。ウパディヤイ氏は「各ベンダーが閉じたエージェント生態系を作れば、企業は長年かけて解消しようとしてきたデータの断絶を、AIの世界で再び生み出すことになる」と語り、オープンな相互運用性の重要性を強調した。

今回の発表は、Snowflakeが単なる「データの保管場所」から脱却し、AIエージェントが何をしてよいかを決める「制御基盤」へと役割を広げる意思を明確に示したものと位置づけられる。企業がAIエージェントを大規模に導入しようとする際、コストの肥大化や予期せぬデータアクセスが経営課題として浮上しており、その管理手段への需要は高まっている。アイデンティティ管理の競合5社が共通の枠組みに参加したことは、業界全体でエージェント向けセキュリティの標準化を模索する動きが始まっているという見方もできる。

エージェントAIが企業内で本格的に稼働するようになると、「ログイン時に一度だけ信頼を確認する」という従来の認証モデルでは不十分になる。ウパディヤイ氏が「信頼は、すべてのエージェント・すべての行動・すべての操作を通じて継続的に検証されなければならない」と述べるように、アクセス管理の考え方そのものを刷新する必要がある。Cortex AI Gatewayがその解決策として機能するかどうかは、今後の実企業での導入事例と、パートナー企業との実際の連携の深さが判断材料となるだろう。

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AI issue 編集部

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