AI産業2026年10月24日 08:24

スタートアップが顧客を獲得・維持する方法

先週開催されたTechCrunch Disruptにおいて、2人の創業者とベンチャーキャピタリストが、スタートアップが初期ユーザーを獲得・維持する方法についてセッションを行った。バイラルな拡散に頼らずとも顧客との関係を長期的に築けるという実践的な知見が共有された。

スタートアップが顧客を獲得・維持する方法

バイラル(口コミや拡散による急激な認知拡大)に頼らなくても、スタートアップは着実に顧客を獲得し、関係を長く保てる。そうした知見が、先週開催されたTechCrunch Disruptのセッションで共有された。2人の創業者とベンチャーキャピタリスト1人が登壇し、初期ユーザーをどう集め、どう定着させるかをテーマに議論した。

スタートアップが新規参入する際、SNSや口コミで爆発的に広まる「バイラル戦略」に活路を見出そうとするのは珍しくない。しかし現実には、バイラルな話題になることは再現性が低く、狙って起こせるものではないという認識が業界内で広まっている。それよりも、特定の顧客層との関係を丁寧に築き、継続的に価値を提供していく地道なアプローチが、長期的な事業基盤につながるという見方がある。

TechCrunch Disruptは毎年開催されるスタートアップ・テクノロジーの主要カンファレンスで、起業家や投資家が一堂に集まる場として知られる。今回のセッションでは、「早期ファンを獲得するだけでなく、いかにそれを維持するか」という実践的な問いが中心に据えられた。登壇した創業者・投資家はいずれも自身の経験をもとに発言しており、単なる理論ではなく現場から得られた視点として提示された。

セッションの核心にあったのは、「顧客との関係は量よりも質」という考え方だ。初期ユーザーは製品やサービスの方向性を決める貴重なフィードバック源であり、その声を丁寧に拾い続けることが、製品改善と口コミによる有機的な成長につながると論じられた。また、一度獲得した顧客が離れない状態をつくることが、新規顧客の獲得コストを下げる上でも重要だという点も共有された。

この議論は、AI分野を含むスタートアップ全般に当てはまるという見方ができる。生成AIやSaaSプロダクトが急増する中、差別化が難しくなっているとも言われており、ユーザーの定着率(リテンション)が事業継続の鍵として改めて注目されている。バイラルな認知より、既存ユーザーの満足度と継続利用率を重視する姿勢は、投資家評価の観点からも重みを増している。

今後スタートアップを評価する際には、ユーザー数の絶対値や拡散の規模だけでなく、どれだけの割合の顧客が継続して使い続けているか、またそのコミュニティがどれほど深く根付いているかを見る視点が重要になると位置づけられる。バイラルに代わる持続可能な成長モデルの模索は、業界全体の共通テーマになりつつある。

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AI issue 編集部

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