AI産業Smartsheet2026年10月21日 12:21

SmartsheetがAI導入で「人」を中心に据える戦略

プロジェクト管理・業務コラボレーションツールを提供するSmartsheetは、AI機能の導入戦略において技術よりも「人」を中心に置くアプローチを採用している。従業員や顧客の状況・ニーズを起点にしてAIを展開する考え方で、ツールの普及・定着を図っている。

SmartsheetがAI導入で「人」を中心に据える戦略

業務コラボレーション・プロジェクト管理プラットフォームを提供するSmartsheetは、AI機能の導入において、技術の展開よりも従業員や顧客といった「人」の側面を優先する戦略を採っている。同社はAIを単なる機能追加としてではなく、実際に使う人が中心にいるべきという考え方に基づいて展開を進めている。

多くの企業がAIツールを急速に導入する中、従業員がその変化についていけず、ツールが十分に活用されないまま放置されるケースは少なくない。こうした背景から、Smartsheetはテクノロジーありきではなく、使う側の準備状況や理解度を起点にしてAI戦略を設計している点が特徴的と言える。

Smartsheetが取る「人を中心に置く(ピープルアプローチ)」というアプローチは、AI導入の段階でまず従業員がどのような課題を抱えているかを把握し、それに合わせてAI機能を当てはめていく考え方だ。技術を先に決めてから使い方を考えるのではなく、現場のニーズから出発するという順序を重視している。また、顧客向けにもこの姿勢を一貫させており、プラットフォーム上でのAI機能の展開においても、利用者の体験や理解を軸に置いている。

プロジェクト管理というSmartsheetのサービス領域は、チームの協働や業務の進捗管理が中心となる。こうした分野でのAI活用は、タスクの自動化や情報の整理・要約など日常業務の効率化が主な用途となるが、それを実際に機能させるには、ツールへの信頼と習熟が不可欠だ。Smartsheetが「人」を前面に出す戦略はこの課題意識から来ているとも見ることができる。

企業がAIを組織に根付かせるうえで、ツールの品質と同じくらい重要なのが、従業員がそのツールを「自分ごと」として使えるかどうかだ。Smartsheetの取り組みは、AI導入を単なるシステム更新として捉えず、組織文化や人の変容を伴うプロセスとして位置づけている点で、一定の示唆を含んでいる。こうしたアプローチが実際にどの程度の効果をもたらすかは、今後の製品アップデートや顧客事例を通じて明らかになっていくだろう。

SaaSプラットフォームにおけるAI統合の競争が激化する中、差別化の軸が「機能の多さ」から「使いやすさと定着率」へとシフトしつつあるという見方もできる。Smartsheetが人中心の戦略を前面に打ち出すことは、機能面での横並びが進む市場において、導入後の体験を重視する姿勢を示すものとも読み取れる。この方向性が同社の競争力にどうつながるかは、引き続き注目すべき点と言える。

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AI issue 編集部

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