AI産業Microsoft2026年7月8日 04:17

Microsoft、自社AIモデルへの切り替えを推進

MicrosoftはExcelやOutlookなどの自社製品で使用するAIを、OpenAIやAnthropicのモデルから自社開発の「MAI」モデルへと段階的に切り替えている。AI部門トップのムスタファ・スレイマン氏は外部モデルのコストを最終的にゼロにする方針を掲げており、すでに週数万件規模の処理がMAIモデルを通じて行われている。一方で、Copilot利用者にとっては同じ価格でパフォーマンスが低下する可能性があるという見方も出ている。

Microsoft、自社AIモデルへの切り替えを推進

Microsoftが、ExcelやOutlookなどの自社製品に組み込んでいるAIを、OpenAIやAnthropicが提供するモデルから自社開発の「MAI」モデルへと順次切り替えていることが明らかになった。すでに週に数万件規模のクエリ(AIへの問い合わせ処理)がMAIモデルを通じて処理されており、移行は段階的に進んでいる。

この動きを主導しているのは、MicrosoftのAI部門トップを務めるムスタファ・スレイマン氏だ。同氏は外部モデルのコストを「最終的にゼロにする」という方針を掲げており、自社モデルへの切り替えはそのコスト削減戦略の一環と位置づけられる。生成AIの急速な普及に伴い、大規模な問い合わせ処理にかかるインフラコストは各社共通の課題となっており、Microsoftもその例外ではない。

これまでMicrosoftは、OpenAIとの深い提携関係を軸にCopilot(AIアシスタント機能の総称)を展開してきた。OpenAIへの大規模な投資を通じて最先端モデルへのアクセスを確保し、それをExcelやOutlook、Teamsといったビジネス向けアプリケーションに統合してきた経緯がある。しかし今回の方針転換は、そうした外部依存を減らし、コスト構造を自社でコントロールしようとする意図を示している。

利用者の視点から見ると、この切り替えには注意すべき点がある。MAIモデルがOpenAIやAnthropicの最先端モデルと同等の性能を持つかどうかは現時点では確認されていない。報道では、Copilotの利用者にとって「同じ価格でパフォーマンスが低下する可能性がある」という見方が示されており、コスト削減が利用者体験に影響を与えるリスクが指摘されている。

業界全体の流れとして見ると、AIモデルの「内製化」はMicrosoftに限った動きではない。多くの大手テクノロジー企業が、外部モデルへの依存コストや競争上のリスクを意識し、独自モデルの開発・活用に力を入れている。その意味で、Microsoftの今回の取り組みは、企業がAIをビジネスに組み込む際の「自社開発か外部調達か」という判断軸が、コスト面からも再検討される局面に入ったことを示す一例と見ることができる。

今後の注目点は、MAIモデルの性能がどこまで外部モデルに近づけるか、そして利用者がサービス品質の変化を実際に体感するかどうかだ。Copilotは法人向けに広く導入されているため、性能面での変化が現場の業務効率にどう影響するかは、企業ユーザーにとって無視できない問いになってくるだろう。Microsoftがコスト削減と品質維持をどう両立させるか、引き続き注視が必要だ。

#生成AI#Microsoft#Copilot#AIコスト#OpenAI#LLM#AI内製化
AI issue 編集部

本記事は、AI issue編集部が事実(ファクト)をもとに独自に作成・編集した著作物です。著作権はAI issueに帰属し、無断転載・再配布およびAIの学習・活用を禁じます。

コメント

コメントするにはログイン