規制・政策Anthropic2026年6月15日 14:18

政府命令でAnthropicがAIモデルへのアクセスを全遮断

Anthropicは政府の命令を受け、AIモデル「Fable 5」および「Mythos 5」への全外国ユーザーのアクセスを完全に遮断した。政府は国家安全保障上の懸念を理由に挙げたが、具体的な詳細は同社に伝えられていない。発見されたとされる脆弱性は軽微なものであり、他のモデルにも同様の問題があるとAnthropicは主張している。AIモデルが国家安全保障政策の対象として扱われる事例として、業界に大きな波紋を呼んでいる。

Anthropicは金曜日の夜、政府からの命令を受け、同社のAIモデル「Fable 5」および「Mythos 5」への外国からのアクセスを完全に遮断した。この措置は米国内外を問わず、すべての外国ユーザーを対象としており、驚くべきことにAnthropicの従業員も例外とはならなかった。政府は「国家安全保障上の懸念」を理由にこの命令を下したとされているが、同社はその詳細を知らされないまま対応を迫られた格好だ。

Anthropicが発表した声明の中で、同社は政府の命令に従うとしながらも、政府側が「国家安全保障上の懸念について具体的な詳細を提供しなかった」と明かした。これは異例の事態と言える。通常、企業がここまで踏み込んだ制限措置を取る場合、その根拠となる情報が共有されるケースが多いためだ。

さらに同社によれば、潜在的なジェイルブレイク(AIの安全制限を迂回する攻撃手法)に関する証拠は口頭でのみ提示されたという。書面や具体的なデータが示されないまま、モデルの脆弱性が指摘されたことになる。加えてAnthropicは、発見されたとされる脆弱性は「軽微なもの」であり、他のモデルでも同様の問題が存在すると主張している。

今回の措置によって、Fable 5とMythos 5は事実上、すべての顧客に対してアクセス不能な状態となった。部分的な制限にとどまらず、完全遮断という強硬手段が取られた背景には、政府の要求の強さが伺える。一方で、外国ユーザーだけでなく自社の従業員まで対象に含めなければならなかった点は、命令の範囲の広さを示している。

AI技術をめぐる安全保障上の懸念は近年急速に高まっており、先進的な大規模言語モデルが輸出規制や国家安全保障政策の対象となる流れが加速している。今回の件は、AIモデルそのものが「安全保障上の資産」として扱われる時代の到来を改めて印象づけるものとなった。Anthropicが今後どのような形で政府との協議を進め、アクセス制限を解除できるかが注目される。

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AI issue 編集部

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