OpenAI、企業向けAIエージェント基盤「Presence」を発表
OpenAIは2025年、企業が顧客対応や社内業務向けにAIエージェントを導入・管理するための新製品「Presence」を発表した。リアルタイムの音声・チャットに対応し、OpenAIの専任エンジニアや提携システムインテグレーターが導入を担う限定提供として即日開始された。価格・提供地域・契約条件は現時点で非公開。

OpenAIは、企業が顧客対応や社内業務にAIエージェントを導入・運用するための新製品「Presence」を発表した。限定的な一般提供(Limited GA)として即日提供が始まっており、OpenAIの専任エンジニア(FDE)や提携するシステムインテグレーターが導入を主導する。セルフサービス形式での利用はできない。
AIを活用したデモや実証実験は多くの企業で進んでいるが、本番環境で継続的かつ安定的に動かすことは別の難しさを伴う。ビジネスルールや顧客の要求、運用条件が変化するなかで、エージェントが意図どおりに動き続けるための仕組みづくりが、多くの企業にとって課題となっている。OpenAIはPresenceをこうした課題への回答として位置づけており、企業が自社でインフラを構築する代わりに、OpenAIとともに本番稼働可能なエージェントを既存の業務フローに組み込む形を提供する。
Presenceが提供するのは、ナレッジ管理、標準業務手順、エージェントが実行できる承認済みアクション、動作テスト用のシミュレーション、品質評価ツール、安全制限(ガードレール)、そして人間へのエスカレーション(引き継ぎ)ルールを一体化した基盤だ。各導入案件は「請求問題の解決」「保険申請のサポート」「社内ITリクエストへの対応」といった具体的な業務を起点に設計され、そのタスクに必要な情報とシステムアクセスだけをエージェントに付与する。何をエージェントが自律的に処理し、何を承認が必要とし、どの時点で人間が介入するかは、企業側が決定する。また、本番稼働前に動作をテストする機能も用意されている。
現時点で確認されている対応チャネルは、リアルタイムの音声とチャットだ。OpenAIは発表資料のなかで、音声・チャット・メールなど複数チャネルへの対応を示唆しているが、メール対応が提供開始時点で利用可能かどうかは確認されていない。価格、提供地域、契約条件、導入に伴うエンジニアリング費用についても現時点では非公開のままだ。また、OpenAI以外のモデルをPresence上で利用できるかどうかも明らかにされていない。
Presenceが示すのは、AIエージェントの「作る」から「確実に動かす」への重心移動という見方ができる。これまでAIの企業導入は、モデルやAPIの選定・連携、セキュリティ制御、評価の仕組みを各社がバラバラに組み上げる必要があった。Presenceはそれをパッケージ化し、OpenAIが伴走する形で提供する点で、単なるAPIサービスとは異なる製品設計といえる。一方で、セルフサービス不可・価格非公開という仕様は、現時点では大規模企業を主な対象としていることを示唆している。提供地域や価格体系、対応モデルの詳細が明らかになるにつれ、どの規模・業種の企業がこの製品の現実的な選択肢として検討できるかが、より鮮明になるだろう。
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